女性白血病患者に我が子を抱く幸せを知ってもらおうと立ち上がった格闘家ノブ・ハヤシ(42)と全国骨髄バンク推進連絡協議会顧問の大谷貴子(59)。2人が支援集めの舞台に選んだクラウドファンディング「どりサポ®」が9月27日にスタートし、さっそく上原浩治やピーター・アーツらスポーツ界のレジェンドたちから共感のメッセージが寄せられた。
目次
上原、アーツ
「ノブ・ハヤシさん。ご自身が白血病になりながらも、患者支援活動をされていると聞きました。お身体に十分気を付けて、これからも頑張ってください」(元メジャーリーガー 上原浩治)
「ノブさん、女性白血病患者の支援に取り組むと聞いたよ。より多くの患者をサポートできるよう、私も応援しているよ」(元K-1王者 ピーター・アーツ)
2人の世界的レジェンドが「どりサポ®」に動画で送ってきたメッセージの一部だ。
藤原、藤波
「私も十数年前、ステージ3のがんを患った経験があります。ノブさんのクラウドファンディングの成功を心から祈っています」(プロフェッショナルレスリング藤原組組長 藤原喜明)
「自身の白血病との戦いだけでなく、他の白血病患者の為に戦おうとするその姿には頼もしいものを感じ、感心しております」(ドラディション代表 藤波辰爾)

日本プロレス界を代表する2人の現役レスラーからもこんな温かい励ましが到着したし、女子ラクロス界を長く引っ張り続ける山田幸代ら、競技のジャンルや性別を越えたエールも届いた。
「ママになる喜びを」
いずれもノブへの敬意に満ち溢れたコメントばかり。不屈の精神でリングに立ち続けるノブの姿はファンだけでなく、広くアスリートたちの共感も獲得していることを証明した。
そんなアスリートたちの連帯と発信力で社会貢献の輪を広げようというのが、新しいクラウドファンディング「どりサポ®」。9月27日にスタートした1号プロジェクトは「パパやママになる喜びを白血病患者と家族に」をタイトルに、大谷が顧問を務める全国骨髄バンク推進連絡協議会の「こうのとりマリーン基金」への寄付を集める。期間は今年12月25日までで、目標は500万円(All-in寄付型)。
前回の連載「ママになる喜びを患者に」
で述べたように、骨髄移植前の白血病患者は抗がん剤治療や放射線治療を受け、その影響で生殖細胞が破壊される(妊よう性の喪失)。病魔に勝っても血を分けた子を持つ望みは絶たれてしまうわけだ。
治療前に精子や卵子を採取・保存しておき、移植を経て健康を取り戻した後、その精子や卵子を用いた体外受精で子どもを授かる方法がある。ただ、保険適用外なため、患者が自費で賄わなければならない。

「関心と行動を」
特に卵子は高額で、20代前半の女性患者が10年間保存する場合の費用はざっと100万円。病気の治療費や薬代を払っている身にこの負担は重い。少しでも軽くすべく、「こうのとりマリーン基金」は民間では唯一、AYA世代の女性患者を対象に費用を助成している(上限10万円)。
プロジェクトは基金の充実を通じて1人でも多くの患者にママになる幸せを贈ること、世の中に「若い時に白血病やがんと宣告されたら自分の妊孕性温存にも関心と行動を」と訴えることを使命にしている。
先頭に立ってプロジェクトをPRするアスリートを「どりサポ®」では「キャプテン」と呼ぶ。ノブがその初代を引き受けたことを伝え聞いたアスリートたちがメッセージを寄せてくれたのだ。

「SNSで呼び掛ける」
このうち上原と山田、さらにノブの旧友で同じく骨髄移植で白血病を克服したプロ麻雀士のルーラー山口の3人は「スペシャルサポーター」としてキャプテンの脇を固める。

ルーラー山口はノブを患者支援ボランティアの道に導き、大谷に紹介した人物。「私もSNSなどを通じ、麻雀仲間や麻雀ファンを中心に支援を呼び掛けていきます」と協力を約束した。
「若手からもたくさん」
こうした広がりにノブキャプテンは「どりサポ®」サイトで「本当に感謝しています」と述べ、「この輪をこれからも繋いでいき、多くの支援をいただけるよう頑張ってきます」と決意を表している。
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もちろん、大谷も名だたるレジェンドたちの賛同に感激したが、もう一つ喜びがあった。「若手アスリートからもたくさんメッセージを頂戴した。そういう世代に関心を持ってもらえたことも朗報なのです」
次回はその若手アスリートたちのメッセージを紹介する。
(敬称略)
クラウドファンディング「どりサポ®」へはこちらからどうぞ。上原さんやピーター・アーツさん、その他の方々の動画メッセージも視聴できます。
取材協力:
全国骨髄バンク推進連絡協議会
ドージョーチャクリキ日本