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ノブ・ハヤシ、大谷貴子/白血病患者支援
「ママになる喜びを患者に」#14

元K-1ファイターで現役格闘家のノブ・ハヤシ(42)。かつて闘病のベッドから「日本にも骨髄バンクを」と叫び、実現への原動力となった大谷貴子(59)=全国骨髄バンク推進連絡協議会顧問。「どりサポ」でもおなじみの両者はともに骨髄移植で白血病を克服し、今はそれぞれの道で白血病患者を助けている。互いに尊敬しあう間柄だが、違いもある。ノブはわが子を抱く幸せを知り、大谷は知らない――。そんな2人が今度は同じ舞台に立ち、若い女性患者の妊娠支援に向かう決心をした。

(全16回連載)

「未来を見ようと思う」

「21歳です。卵子保存は自費で高額なのでやらなくてもいいかなと考えていたところ、基金を知りました。無事、卵子保存を終え、今は自宅療養しています。大変な思いをしている患者さんがママになれることを心から願います。本当にありがとうございました」

「私はまだ独り身ですので助成金は大変助かりました。何事も諦めず、前を向ことで夢が叶うと思える様になりました。この機会を無駄にする事なく、体調を整え、未来を見ようと思いました。皆さまに感謝申し上げます」

「思いもよらず白血病になり、思いもよらず卵子凍結をすることになりました。治療の合間を見て婦人科に通うことは体力的にも大変でしたし、白血病の治療費のかかる中での金銭的負担も大きなものでした。基金は大きな力になってくれました。本当に感謝しています」

全国協議会ニュースで紹介された感謝の手紙の内容。
全国協議会ニュースで紹介された感謝の手紙の内容。

「感謝しています」

「白血病と診断され、目の前が真っ暗になる中、主治医から基金のことを聞きました。無事に卵子凍結保存できました。骨髄移植も無事終わり、本当に感謝しています。体調を整えて無理せずがんばります。将来子どもが産みたいです。本当にありがとうございました」

「娘が白血病発症で大変なときに主人が心労と疲労で他界してしまいました。途方に暮れるしかありませんでしたが、家族6人で頑張って生きていこうと決めました。経済的に大変な時期なので、本当に感謝しています。娘に子どもを授かる可能性を残せたことがすごく嬉しいです。ありがとうございました」

日々の治療にも

いずれも「こうのとりマリーン基金」から助成金を受けた患者や家族が全国骨髄バンク推進連絡協議会に送ってきた感謝の手紙の一部だ(簡略化して掲載)。

患者が卵子保存により、将来子どもを持つ夢を手にできた喜びはもちろん、日々の治療にも前向きになっていることが分かる。「私は孤独ではない。多くの人が私を見守ってくれている」という安心感も得ている。

基金はそんな気持ちの立て直しにも寄与した。まさに「あしたも、赤ちゃんも、きっと来るから」という基金のキャッチフレーズの通りだ。

基金の運営難による助成額の改定を伝える全国協議会ニュース2018年2月号

27件620万円

基金発足当初から問い合わせが相次ぎ、昨年度末まで計27件約620万円の助成実績を積んだ。だが、運営が順調だったわけでない。

助成金は基金を取り崩して捻出するわけだが、取り崩し分を埋めるほど寄付は集まらなかった。基金を再建しようにも寄付はなかなか集まらなかった。

2018年、助成額の上限を一気に5万円まで下げ、体外受精への助成を中止するなど苦渋の選択をした。ところが、魅力を失ったのか、今度は助成希望者の減少を招いてしまった。

「基金解体も」

「このままでは早晩、基金解体という事態を招きかねない。そうなれば患者を助けられなくなる。生みの親の毛塚さん夫妻にも申し訳ない」。焦燥に駆られた大谷貴子の提唱で、協議会は翌2019年4月、クラウドファンディングに活路を求めた。

敬称略

(全16回連載)

#15に続く

最初から読む(#1)

取材協力 全国骨髄バンク推進連絡協議会 https://www.marrow.or.jp/